「法華仏教講座」第1回 「日蓮花押の母字について」報告

「法華仏教講座」第1回 「日蓮花押の母字について」報告
2022年10月29日 commons

令和4年10月29日(土)午後4時30分~、新宿・常圓寺祖師堂地階ホールを対面講義の会場として、当学林スタッフで法華宗(陣門流)学林教授の西山明仁先生による「日蓮花押の母字について」の講義が、Zoomオンライン聴講もできるハイブリッド型の講義として執り行われた。
日蓮聖人の花押をめぐる問題という大変興味深い内容であり、日蓮聖人研究の第一線で活躍する多くの研究者が参加し、また、西山先生が所属する法華宗(陣門流)からも多くの聴講があった。
日蓮聖人の花押については、これまで、梵字(バン字→ボロン字)とする説や、妙の字とする説が特に有力視されてきたが、西山先生は、そうした先入観から一度離れて検討を試みることの重要性を指摘。能筆家でもある西山先生は、日蓮聖人花押の筆づかい、細かなタッチにまで目を配り、精査熟考を経て、その母字は「蓮」である蓋然性が高いと一つの見方を示された。また、日蓮直弟子や門下諸師の花押も微細に一覧された上で、日蓮聖人花押=「蓮」の可能性の高さを示された。
分かり易く大変に説得力のあるプレゼンテーションであり、講義終了時には聴講者から大きな拍手が送られた。
これまでの学説に楔を打ち、花押の研究に新生面をもたらした画期的な講義であった。(スタッフ)