菅野博史先生「『法華経』『法華文句』講義」第2回(通算96回目)が、5月25日(月)午後6時半より開講されました。前回から始まった「授記品」は最後まで終わり、「化城喩Ă品」の始めまでが今回の講義範囲となります。
テキスト『法華文句(Ⅲ)』は、847頁4行目の「授記はまた受記、受決、受莂という」から、852頁の最後の「品を分かつに足らず。但だ他段の中に入るのみ」までです。経文の範囲は、「授記品」後半と「化城喩Ă品」前半になりますが、その内容は随文釈義ではなく、「授記」について解説と「化城喩Ă品」の題名を解釈していきます。
テキストの『文句』では前文の続きとして、受記、受決、受莂ともいう「授記」の違いを解釈して、「授」は与える、「受」は得る、「記」は事を記する、「決」は決定、「莂」は了莂で区別することだと説明します。そして、科文の「正しく中根に授記を与う」では、まず迦葉に、次に須菩提、迦旃延、目犍連の三人に授記しますが、その授記の内容は①因を行じたこと、②その果を得たこと、③劫と国の名前とその荘厳、④仏の寿命、⑤正法と像法の長さ、⑥国が清浄であること、となります。そして、下根の人のために師と弟子との宿世の因縁を説くことを許すことを予告した「先に総記を許し、更に宿縁を説く、云々」を最後に述べて、次の「化城喩Ă品」に繋げていきます。
「化城喩Ă品」ではまず品題を解釈して、「化」とは神通力の働きで、「城」は敵の防御を意味するとして、権仮(かり)に名づけるので「化城」と説明します。また、此の品が宿世(過去世)の因縁を説いて下根の人を悟らせるのだから、「宿世品」というべきではないかとの問いに対しては、この品の前半は宿世の話だか、後半は化城の話なので「化城喩Ă品」というと応じます。また、上根は疑いが少ないが、中根は疑い深い、下根はもっと疑い深いため、先ずは宿世の機縁を明かして、後に実の悟りの宝処を示すので「化城喩Ă品」というと答えます。そして、この段なる「化城喩Ă品」「五百弟子受記品」「授学無学人記品」の三品の経文は、「因縁説・領解・述成・授記」がある授記段としてまとまるはずで、品として分ける必要もないのでは、と述べた852頁のところで講義は終了しました。
次回の6月29日は、『文句(Ⅲ)』の853頁1行目の「此の品は正しく因縁を説く」からです。充実したレジュメによって途中からでも充分ついて行ける講義となっていますので、ぜひ御聴講ください。(担当スタッフ)