令和8年5月16日(土)15時30分~、2026年度前期【法華仏教講座】第2回講義が、常圓寺祖師堂地階ホールを会場としてオンライン同時配信のハイブリッド型で講義が行われた。
今回は、法華仏教研究会主宰にして本学林教学委員の花野充道先生を講師にお迎えし、「法華教学における顕本論と化導論(1)―法華仏教の思想史学的探求―」の講題でご高説を賜った。花野先生は今後、法華仏教講座の中で、連続講義として、同テーマを講じて下さることとなった。今回は、その第1回目である。
講義では、最初に「法華経解釈の科段」として、天台大師智顗に至るまでの中国諸師の解釈を挙げながら、その展開と智顗との連関性や同異二面を細かく講じられた。
次いで、「法華経に説かれる二つの特長」として「化導論」と「顕本論」に着眼され、前者(化導論)の三乗方便一乗真実-正直捨方便-五時八教の教判を解説される中で、鳩摩羅什訳と梵本の相違、三車家と四車家の相違、十如是と五何法の問題などについて詳説して下さった。
また、「顕本論」についても、鳩摩羅什訳と梵本を比較対照して、羅什訳の特色を指摘され、法華教学史上の顕本論を考究する意義の甚大さを明快にご教示いただいた。
更に、「三種教相」についても、『玄義』一巻教相と『玄義』十巻教相の相違を細かに解説して頂き、日蓮が『玄義』一巻教相を「三種教相」として受容されていることを明確に示された。
いつもながらに、花野先生の該博で奥深い学識が炸裂した貴重な2時間余であった。講義終了後、聴講者から一際大きな拍手が送られた。
次回は後期法華仏教講座で今回の続き、すなわち三種教相の①根性の融・不融の相、②化道の始終・不始終の相、③師弟の遠近・不遠近の相について細説して下さる予定である。法華仏教の研鑽を目指す学徒のみならず、研究者必聴の講義である。(スタッフ)