集中講義「『日蓮遺文解題集成』の解説(一)」講座報告

集中講義「『日蓮遺文解題集成』の解説(一)」講座報告
2024年4月27日 commons

令和6年4月27日(土)午後1時30分~、山上弘道氏による「『日蓮遺文解題集成』の解説(一)」の一日講座が、対面とオンライン配信による、ハイブリッド形式で行われた。

令和5年の12月に上梓された山上弘道氏の著書『日蓮遺文解題集成』について、執筆したご本人みずから解説をしていただいた。同書は山上氏が三十年の年月をかけて研究した成果を一書にまとめたものである。内容は、題名にある通り日蓮遺文の一つ一つについて解題を施したもので、本編の箇所だけで1088ページもの分量があり、遺文目録や日蓮書状の花押集などの付録を加えると約1300ページにも及ぶ、著書というよりも辞典というべきまさに大著である。

第一回目となる本講座では、真蹟遺文を中心に、新出・新加の遺文、名称を変更した遺文、従来の系年を変更した遺文等について、それぞれ関連する先行研究を紹介しながら、膨大な資料を丁寧に繙き説得力のある私見を提示された。講座は途中の休憩をはさみ4時間にわたって行われ、本の内容に比例するように大変内容の濃いものとなった。

また山上氏は同書の概要を示したレジュメを用意し、レジュメに沿って詳細な解説をしてくださった。講座終了後の質疑応答では、会場、オンラインを含め多数の方から熱心な質問が寄せられ、一つ一つの質問に丁寧にお答えいただいた。

第二回目となる次回は6月15日午後1時30分~、日蓮遺文の真偽論を中心に解説をしていただく予定である。日蓮遺文、鎌倉仏教に興味のある方は、ぜひご聴講いただきたい。(スタッフ)