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2021年4月26日(月)、第35回「『法華経』『法華文句』講義」がオンライン実況講義で開催されました。
今回から方便品についての講義となります。(376頁 1行目~)

まず冒頭に法華経における方便品の位置づけと意義について概略説明がありました。
また、「方便品」の方便とはUpaya-kausalyaを漢訳したもので、『正法華経』では「善権品」と称されています。
この「権」について、『孟子』離婁上を引用して説明されました。以下にその説明を記します。
―― 常時において弟が兄嫁の手を握ることは礼としてあってはならないが、
もし兄嫁が川に溺れたとき常時の礼に固執して助けないことは逆に道に反してしまう。
これが「権」である。
つまり「権」とは目的に到達するための手段ということで、「実教」に対する「権教」などとして用いられる。

次いでテキストに沿って講義が進められました。(376頁1行目~)
まず、法用方便・能通方便・秘妙方便の三方便について解説され、秘妙方便こそが法華経における方便であるということです。
次に料簡(問答を繰り返しながら真実を求めていくこと)において、三方便についていろいろな角度から解釈されています。
1、自他三語に約して料簡す
法用方便・・・体外の方便、化物の権、随他意語
能通方便・・・体外の方便、自行化他の権、随自他意語
秘妙方便・・・同体の方便、自行の権、随自意語
2、能所に約して料簡す
法用方便・・・能入に非ず、所入に非ず
能通方便・・・能入にして、所入に非ず
秘妙方便・・・所入にして、能入に非ず
3、四句に約して料簡す(方便と権)
方便は権を破す……四種は皆な是れ秘妙の方便なり。此の方便は随他意の権を破す・・・法用方便
権は方便を破す……権は是れ同体の権にして、体外の方便を破す・・・法用方便? 秘妙方便?
方便は権を修す、権は方便を修す・・・能通方便
方便は即ち権、権は即ち方便・・・秘妙方便

広釈では、旧解の説として法雲の『法華義記』や吉蔵の『法華玄論』を引用している。
(~384P 3行目)

次回の第36回講義はコロナの感染拡大状況を鑑み、5月31日(月)午後6時30分から、オンライン実況で開催いたします。
受講の皆さまは、事前に送付するメールのURLをクリックしてご入室ください。
以上、よろしくお願いいたします。
(担当スタッフ)

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