令和8年10月7日(水)、末木文美士先生による講座「仏教哲学再考③−日本仏教を哲学するⅠ−」が開催された。本講座は、日本仏教をいかに新しい哲学として構築することができるのかを再考する画期的なシリーズであり、今までの末木先生の業績を総括しながら、新たに世界哲学の視座を加えて日本仏教を哲学していくことをテーマにしている。

まず先生は、自身の研究活動と今後の著作計画について説明し、特に来年7月に刊行予定の「菩薩の系譜—法華と浄土」の内容にふれて、日本仏教の菩薩の系譜を整理していることを述べた。また、法華経に関する研究については、四十年前から継続してきたことを振り返り、特に勝呂信静氏や苅谷定彦氏の研究に影響を受けて、『法華経』の読み方に関する研究をこれから進めたいと目標を提示された。さらに、通常の言語では表現できないより深い領域への探求については、密教や神智学などを通じて検討したいと述べられた。

そして最近の論著として、末木先生が責任編集された『思想』特集号「転換期の思想史・哲学史」(岩波書店)と、守屋・末木・末村編『禅からZenへ――日本仏教のグローバル化と霊性運動』(法藏館)の二冊を採り上げて、その意義について説明された。『思想』特集号では、西洋由来の理性中心の常識がもはや通用しない転換期にあって、思想史と哲学史の意義を捉え直す挑戦的な論考が集まったと評価し、その中のご自身の論考「転換期の思想史/哲学史」を詳しく解説された。また『禅からZenへ』については、世界的に広まったZenと神智学等の神秘思想の関係を参照しながら、『釈摩訶衍論』の密教思想や現代思想にもみられる「根底に通底するもの」を考えたい、と述べられた。

最後に、今後の先生の活動(講演やインタビューなど)についての報告があり、講義終了となった。

末木先生の講義は、最先端な知識を拝聴できる貴重な機会となっております。皆様の聴講申し込みをお待ちしております。なお、本講座はリモート開催となっており、講義動画も受講者に配信し、期間内であれば何度でも見ることが可能です。詳細につきましては、「法華コモンズ」ホームページからご確認ください。(スタッフ)

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