1月26日(木)、池上要靖先生講座「初期仏教研究 ―仏滅年代論・経典の成立―」が行われました。
今回は、「仏滅年代の記述」と題し、仏滅年代の意義とパーリ語経典が伝える仏滅年代についての講義でした。
初めに、仏滅年代が持つ意義について、①歴史上の釈尊の存在を明らかにする、②釈尊の教説を明らかにする、③仏教という信仰の営みを肯定する、④教学(宗学)を検証する、⑤布教の核を得る、⑥自らの存在を問う、の6つを挙げられ「大乗非仏説論」について考究されました。
そして、日蓮聖人や最澄上人が用いられた『周書異記』に記された仏滅年代(紀元前949年説)や、日本の学説における仏滅年代を説明された後、セイロン(現在のスリランカ)の『島史』『大史』から導き出された仏滅年代についてご解説いただきました。
次回は、2月23日(木)18:30から、「もう一つの仏像建立史」というテーマで、日本の仏教美術史からは見えてこない造像年代論を紹介されます。
当日のみのご聴講(1回3,000円)も随時受け付けておりますので、本HP内の「受講のお申込み」からお申込みください。