講座④「『法華玄義』講義」第10回講座報告

講座④「『法華玄義』講義」第10回講座報告
2017年1月23日 commons
平成29年1月23日(月)、菅野博史先生による「『法華玄義』講義」が行われました。
今回は「『法』の解釈」と題して、「釈名」の「第四節 正しく解す」(下図参照)についての講義でした。
釈名 ―   第一節 教・行・理を以て通別を判ず
第二節 妙・法の前後を定む
第三節 旧解を出だして麁・妙を判ず
第四節 正しく解す
第一項 略して妙の義を顕わす
第二項 広く「法」「妙」を説く
一 法を明かす
(一) 略して三種の法妙を挙ぐ
(二) 広く三種の法を分別す
Ⅰ 衆生法
(1)法数を列ぬ
(2)法相を解す
Ⅱ 仏法
Ⅲ 心法
「第一項 略して妙の義を顕わす」では、光宅寺法雲の説を用いて、十法界・五味・観心・六即の四つの視点から「妙」の解釈を行っており、それぞれが理一・教一・行一・人一に焦点を合わせた視点である。
「第二項 広く「法」「妙」を説く」の「一 法を明かす」では、略釈と広釈があり、略釈では南岳大師慧思の説に基づいて、法を衆生法・仏法・心法の三法に分類して解釈し、広釈においては、三法の特色を因果の視点から明らかにしていて、仏法が果、心法が因で、衆生法が因果にわたるの、衆生法は原理的に仏法・心法を包括する広い領域をもっていると説かれている。
「Ⅰ 衆生法」の「(1)法数を列ぬ」では、心という一法によって一切法を包括する場合、名色という二法によって一切法を包括する場合、命・識・煖の三法によって一切法を包括する場合を挙げ、『法華経』の場合は十法(十如是)によって一切法を包括することが説かれている、とのご講義でした。
その後、梵本と羅什訳の十如是の相違についての解説が行われました。
次回は、2月27日(月)18:30から、今回のレジュメの後半部分からの講義となります。
(文責・編集部)