講座⑥「日蓮聖人遺文研究」第1回講座報告

講座⑥「日蓮聖人遺文研究」第1回講座報告
2016年10月28日 commons

平成2810月29日、都守基一先生の『日蓮聖人遺文研究』講座第1回「日蓮聖人遺文の概要」の講義が行われました。11名の受講生が参加くださり、熱心に受講されました。

まず宗祖遺文に、「真蹟、写本、刊本」という伝来形態による分類、「曼荼羅本尊、著作、書状、図録等々」といった内容による分類、さらに「完存、ほぼ完存、断簡、曽存」のような真蹟遺文の状態による分類など、様々な視点からの分類があることの紹介があり、続いて録内御書、録外御書、百部摺本など、いままでの御書発行の歴史を概観されました。

続いて主要遺文(基準御書)の立て方についても興味深い話を伺うことができました。一般的な三大部(立正安国論、観心本尊抄、開目抄)、五大部(さらに撰時抄、報恩抄)という考え方以外に、門流によっては開目、撰時、報恩という大部の著述を三大部とする考え方があったこと、また高木豊先生が「三ペア六大部」(守護国家論+立正安国論、開目抄+観心本尊抄、撰時抄+報恩抄)というユニークな説を提唱されたこと、またその高木説に影響を受けた都守先生が、それに法華取要抄+曽谷入道殿許御書を加えて「四ペア八大部」説を考案され、恩師の高木先生にお伝えしたエピソードなども話されました。

お話の中には門流の壁を越えて、他教団の学者の説や考えなども時折紹介され、2時間があっという間に過ぎました。これからの講義の進展が楽しみです。

(文責・編集部)