「法華仏教講座」第2回 「四明知礼の実相論とその展開」報告

「法華仏教講座」第2回 「四明知礼の実相論とその展開」報告
2023年11月25日 commons

令和5年11月25日(土)午後4時30分~、新宿・常圓寺祖師堂地階ホールを対面講義の会場として、久保田正宏先生による「四明知礼の実相論とその展開」の講義が、Zoomオンライン聴講もできるハイブリッド型の講義として執り行われた。
久保田先生は、早稲田大学や立正大学でも教鞭を執られる、斯界注目の気鋭の研究者である。
先生は、十世紀から十三世紀にかけての宋代(=趙宋代、 =北宋代と南宋代)の中国天台教学の実相論に注目され、「最も実在論的とも言える実相論(一念三千論)を主張した」という中国天台第十四祖、四明知礼(960~1028)の学説を中心に、山家・山外の両派の学説の特徴を今日的に最先端の研究レベルで概説してくださった。
講義では、先ず、その全体的な構図や特徴を分かり易く概説され、次いで、特に「蛣蜣六即説」「寂光有相説」を取り上げながら実相論の展開について、更には教判論との関連について、極めて重要なポイントをご教示くださった。
「おわりに」で、先生は、貴重なご所見を次のようにまとめてくださった(以下、レジュメより転載)。
「 ◆山家派においては、北峰宗印のように、結果的にではあるが、山外派の唯心論的実相論に接近する学匠が存在した。一方で、柏庭善月のように、知礼の実相論(理事両重総別説)をあくまでも堅持する者も存在した。〇宗印など=「唯心観体」、「寂光土の相は浄相のみ、(唯心寂光)」〇善月など=「当体全是」、「穢土の相がそのまま寂光土の相」◆山家派においては、宗印のように、山外派と同様に『大仏頂首楞厳経』を法華涅槃時に判属する学匠が多く存在した。一方で、善月のように、同経を方等時に判属する諸師もいた。〇宗印など=法華涅槃時(醍醐味)判属説〇善月など=方等時(生酥味)判属説 」と明示され、「 山家派における実相論と教判論とは連動していると考えられる。」
先生の、広く、奥深い考証に、聴講者一同から感嘆の拍手が送られた。(スタッフ)