平成28年9月9日に、庵谷先生の第6回目の講義が行われました。台風の影響もありましたが、多くの方が参加くださいました。
今回は、前回の「日蓮聖人における三大秘法」で説明できなかった「4. 本門の戒壇」から始まり、今回分の「日蓮聖人における成仏」の講義が行われました。
「本門の戒壇」では、まず小乗戒や大乗戒についての概要をお話しいただき、戒壇に関する宗祖遺文を数編拝読され、宗祖の戒壇観をご説明くださいました。そして、
①遺文中には戒壇については「建立する」という表現をされていることから、宗祖は「建屋」を意識しておられたはずである。
②宗祖が考えられた末法の本門戒は「戒師が要る」等の詳細事項は記されていない。自誓受戒であろう。
③また真の大乗の本質は、出家在家の区別や男女の差別はないと考えるべき。
等々、お話しいただきました。
また「日蓮聖人における成仏」では、「即身成仏」「霊山往詣」「時空の超越」という分類でご解説をいただきました。特に興味深かったのは「霊山往詣について述べられているのは佐渡期以降の御書」ということで、鎌倉期には述べられていないということを知りました。
最後は出席者に「修了証」が手渡され、講義中は真剣だった受講生の顔も、幾分かほころんで見えました。庵谷先生、6回のご講義ありがとうございました。
なお今回のご講義は、「法華コモンズ叢書(仮称)」の一冊として刊行される予定です。
(文責・編集部)