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平成28年5月21日(土)、新宿常円寺において布施義高先生より「日蓮教学史と諸問題」の第2回目の講義を頂きました。
今回のテーマは「日蓮教団の思想的発展」という内容であり、布施先生は冒頭に、「全12回の講義の中で最も重要な回になると思います。日蓮教学史、殊に本迹論の歴史全体を紐解く上で非常に重要な講義になるでしょう」と意気込みを語り、講義に臨まれました。
講義は、教学の深い部分に立ち入る難しい内容を扱われましたが、表やチャートを使って視覚的にわかりやすく工夫されながら丁寧にご説明頂き、日蓮聖人滅後の弟子たちの分裂の経緯、各時代の教団史的・教学史的な特徴、門流教 学や檀林教学の勃興とその展開、また、その間に執り行われた様々な論争の意義、とりわけ「本迹論」がどのような位置にあるのかということを、明快にお話して下さいました。
さらに、日蓮教学の本迹論を学習する前段として、天台大師が『法華玄義』で説かれた「六重本迹」をご説明いただき、それを承けて、広く法華教学史上で用いられた「本・迹」の概念を一つひとつ丁寧に解説され、日蓮教学史上で用いられた「本・迹」の概念にいかなるものがあるかも詳細が語られました。法華教学史においても、日蓮教学史においても、「本・迹」の指し示す概念が局面ごとに異なっており、そして結論的に語られる「本・迹」の概念も教学者ごとに相違があるので常に注意しなければならない、 ということを学ぶことが出来ました。
また、布施先生は、併せて、六重本迹に関する、読解上の留意点や、天台大師と妙楽大師の理解の同異、今後の検討課題なども指摘され、より高みを目指す聴講者の知的好奇心を相当に刺激していたのではないかと思います。
さらに、布施先生は、近代以降の本迹論研究の概況を紹介され、特に、望月歓厚先生の学説をたどりながら、今後の研究に繋がる貴重な指摘を何点も口にされていました。
日蓮教学に横たわっている重要な問題をご講義頂き、受講生の皆様は非常に熱心に聴講されていました。
次回は、6月18日(土)に第三回目の講義が行われます。更に日蓮教学史の一つ一つの局面を細かく講義されて行く予定 です。
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