通算98回目となる菅野博史先生「『法華経』『法華文句』講義」第3回が、7月27日(月)午後6時半より開講されました。今回は『文句(Ⅲ)』の858頁1行目の「「三転」とは、示・勧・証を謂う、云々。」から始まります。経文は、大通智勝如来が梵天王達と十六王子の要請を受けて、十二行の法輪を三回転じて、十二因縁の法を説くところから始まって、沙弥となった十六王子に請われて『大乗経・妙法蓮華経・教菩薩法・仏所護念』の教えを八千劫休まずに説き終わって、八万四千劫にわたる禅定に入ったところまでです。
テキスト『法華文句(Ⅲ)』の随文釈義では、仏が十二行の法輪(教え)を三回転じた(説法した)「三転」とは、「①示す、②勧める、③証す」のことで、また「示教利喜」にも当てて、示が示転、教が勧転、利喜が証転である、との解釈から始まります。また「三転」は、見諦(見道)、思惟(修道)、無学(無学道)に対応し、また衆生に上中下の三つの機根があるためとも解釈されます。「転」についても詳しく解釈して、この法を転じて、他人の心に渡り入り、覚りを得させ、外道の邪見を破らせるからこそ「転法輪」というのだから、その意義を持てない魔や梵天などには転じる(法を説く)ことはできないとします。
また十二因縁については、苦集滅道の四諦を詳しく観ずることとして、声聞・縁覚・菩薩は共通して十二因縁を観察するが、二乗には生滅のある有量の十二因縁で、菩薩にとっては無生で無量の十二因縁であり、出家した王子達が求めるのは「満字(大乗)の法輪」であることを明かします。この求めを『文句』では「満字廃半を請う」と言っています。そこで、請いに応えて仏が説くのが『法華経』です。経文では「大乗経の妙蓮華経と名づけ、菩薩を教うる法にして、仏の護念したまう所」と訓じられます。
この『法華経』を聞いて十六王子や二乗たちはすぐ理解できたのですが、経文に「其の余の千万は皆、疑惑を生じ」といわれた聴衆がいて、これは後に十六王子に縁を結び導かれる者達とされます。『法華経』を説いた仏は、その後に入定(禅定に入る)することを明かすのですが、講義は『文句』の864頁の四行目「入定の時節は、即ち是れ「八万四千劫」なり、云云。」で終了しました。
次回の8月24日は、この続きの五行目「「是時十六菩薩知仏入室」の下は、第二に正しく結縁す。」からになります。これから教学的にも重要な「化城喩Ă」が出てくる講義に入りますので、途中からの受講でも充分ついて行ける講義ですので、ぜひ皆さま、御聴講ください。(担当スタッフ)