令和8年1月31日(土)15時30分~、2025年度後期【法華仏教講座】第3回講義が、常圓寺祖師堂地階ホールを会場として、オンライン同時配信のハイブリッド型で講義が執り行われた。
今回は、興隆学林専門学校教授の株橋隆真先生を講師にお迎えし、「法体折伏について」の講題でご高説を賜った。
株橋先生は、唱題の真義を鮮明化するものとして、慶林坊日隆師(1385~1464)が用いた「法体折伏」の意味を尋ねられた。
その「法体」は、日隆師によれば、本門事具一念三千を所摂とする題目(能摂)を意味する。「法体」には、摂め受け入れ導く「摂受」と、相手のあやまりを破折・調伏する「折伏」とがあるという。
株橋先生は、その意味を確認するために、天台教学や宗祖の摂折二門についても概観され、化儀・化法双方の視点を提示された。
論中、『観心本尊抄』第29番答の摂折について「賢王は身を以て愚王を折伏し、宣教の僧は身は摂受であるが、口では正法を弘説するという折伏を行わなければならないということであろう。(中略)理論も実践も法華経に求め、あくまでも出家が主体となるのが法華経の摂折であり、宗祖の摂折というべきであろう」と述べられたのは、印象的であった。
次いで、株橋先生は、日隆師の御聖教における「法体折伏」の用例を検討され、「法体」には本来「折伏」の徳が具わり、「法」そのものに「折伏」の義を見出せ、総名の南無妙法蓮華経が法体折伏であり、下種という行為がその行相に当たること。、本門八品の説相は法尓法体の折伏であり、就中、不軽菩薩の弘経も法体折伏であること。以上から、題目の聞・信・口唱・弘通の信行の意義が明確化され、妙法経力の力用を具体的に解明したとき、「法体折伏」として表現されること―等を明かされた。。
次いで、株橋先生は、関連論攷として、ご自身の「久遠成道(実成)に関する一考察」を取り上げられ、天台・宗祖における久遠成道(実成)、久遠下種、本因妙の修行―等を多角的に論じられた。
日隆師によれば、久遠の最初成道は、南無妙法蓮華経の本因妙の修行、名字信行の易行による。そして、その論拠は、特に不軽菩薩の二十四字の信行礼拝を現在の題目の意義を重ね合わせる宗祖遺文に求められるという。ここから、久遠成道・久遠下種・末法下種を南無妙法蓮華経で統一する見方が導き出され、滅後末法の衆生を正機とする視点から、日隆師の所見が成立すると解説された。
日蓮教学研究界全体に大きな刺激を与える、素晴らしい御講義であった。(スタッフ)