「法華仏教講座」第6回 「日蓮教学における教観論と種脱論」報告

「法華仏教講座」第6回 「日蓮教学における教観論と種脱論」報告
2022年9月10日 commons

令和4年9月10日(土)午後4時30分~、新宿・常圓寺祖師堂地階ホールを対面講義の会場として、花野充道先生による「日蓮教学における教観論と種脱論」の講義が執り行われた。
Zoomでオンライン聴講できる、ハイブリッド型の講義として執り行われ、多くの参加者があり盛会となった。
周知の通り、花野先生は、平成21年に論文『天台本覚思想と日蓮教学』によって早稲田大学から博士(文学)を授与され、現在、法華仏教研究会主宰と当学林教学委員を勤められている。また平成25年に刊行完結をみた『シリーズ日蓮』全5巻(春秋社)の代表編者として刊行を牽引。近時は『花野充道博士古稀記念論文集』2巻が出版されるなど、その存在は斯界で目映い光彩を放ち、有識者の誰もが認める碩学である。
今回、花野先生は日蓮教学・教学史研究上の最重要課題である教判論について、教観論・種脱論との関係から、詳細に論じられた。その間、諸門流の著名教学者の特徴と教理的な課題となる事柄を逐一、鋭い切り口をもってご指摘いただいた。講義後半では、『観心本尊抄』の一節についての解釈との相関性を辿りながら、日蓮聖人滅後における全体的な教判理解のダイナミズムを講じてくださった。
また、講義全体を通して、花野先生は、宗学の世界における専門用語や一種独特な言い回しを、現代の一般人に理解できるよう分かりやすく嚙み砕いてアウトプットする努力の必要性を力説された。
いつもながらに冴えわたった、日蓮門下各門流の指導者や学徒にとって必聴の講義であった。(スタッフ)