講座「『法華経』『法華文句』講義」第6回講座報告

講座「『法華経』『法華文句』講義」第6回講座報告
2018年9月24日 commons
平成30年9月24日(月)、菅野博史先生による「『法華経』『法華文句』講義」第6回講座(第1期最終講)が行われました。
今回は、序品冒頭の「如是我聞 一時仏住」の「住」についての解説からはじまりました。(テキスト38P)
「住」についても、これまでと同じく因縁釈・約教釈・本迹釈・観心釈の解釈がなされています。
因縁釈は、能住・所住による釈(世界悉檀)、十善道・四禅による釈(為人悉檀)、空・無相・無作による釈(対治悉檀)、首楞厳三昧による釈(第一義悉檀)の四悉檀によって「住」の解釈がなされています。
約教釈では、蔵教・通教・別教・円教の意で「住」についての解釈がなされています。
蔵教の仏は析空観によって有余・無余の涅槃に住し、通教の仏は体空観によって有余・無余の涅槃に住し、別教の仏は次第門によって秘密蔵に住し、円教の仏は不次第門によって秘密蔵に住するとして、前の三仏(蔵・通・別)は麁で、円教の仏のみ妙であると説かれています。
本迹釈では、四教それぞれの仏が垂迹について釈され、四仏は皆、本仏の住に住していると説かれています。
そして、最後に観心釈によって「住」の解釈がなされています。
「王舎城」については、『大智度論』に説かれる説によって因縁釈がなされ、『像法決疑経』に説かれる説によって約教釈がなされています。
「耆闍崛山」の解釈のなかでは、四劫を繰り返すなかで、どうして前仏と後仏が同じ名の山にいるのかという問いに対し、神通のある人は昔の名を知るからでると答えています。
「中」については、仏は中道を好むとして、中天(兜卒天)に升り、中日(10時から14時)に中国(インドのこと)に降り、中夜(22時から2時)に入滅するとして、これらは皆、中道を表わすのであると解釈しています。
次回は、10月29日(月)18時30分からです。次回から第2期講座になりますので、まだ、お申込みされていない方はお願いいたします。
また、同日の15時から同会場において、菅野先生による「『摩訶止観』講義」(福神研究所主催)も行われています。
次回は『一念三千とは何か』(第三文明社)をテキストとして講義される予定です。
こちらは 1回2000円となっておりますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。(スタッフ)