令和8年3月14日(土)15時30分~、2025年度後期【法華仏教講座】第5回講義が、常圓寺祖師堂地階ホールを会場としてオンライン同時配信のハイブリッド型で講義が執り行われた。
今回は、興風談所・所員の菅原関道先生を講師にお迎えし、「日蓮撰『注法華経』と安然撰「悉曇藏」」の講題でご高説を賜った。

菅原先生は、日蓮聖人の主著『観心本尊抄』受持譲与段が導き出される前提となる三経四疏の文に注目され、日蓮聖人の題目論の特徴を穿鑿された。三経四疏の文は、多少の出入りはあるも、『注法華経』『開目抄』にも見られる。

菅原先生は、平成23年に池田令道氏が『注法華経』の三経四疏中の二経三疏の文が安然撰『悉曇蔵』(880)に引用されていること、翌24年に大黒喜道氏もそれを取り上げていること等を紹介しながら、また、庵谷行亨氏の論文「日蓮聖人の妙字釈」を見据えながら、令和6年に玉稿「『観心本尊抄』受持譲与段の文証の考察─『注法華経』『悉曇蔵』との関連を含めて─」(『 苅谷定彦 小西日遶 大平宏龍 三先生頌寿記念論文集 法華仏教の潮流ー教えと学びの道しるべ ー』〈法蔵館〉)を執筆された。

今回の御講義で菅原先生は、玉稿に沿いながら、このテーマの概要を分かりやすく講じて下さった。また、原稿執筆時に割愛された情報にも言及され、特に『注法華経』『開目抄』『観心本尊抄』に共通して引かれている「吉蔵疏云沙者翻為具足」の典拠について、研究史上、初めて明らかにされた。
今回のご報告を通して、日蓮聖人における『悉曇蔵』の受け止め方の重要性が、あらためて注目されるところとなった。

日蓮教学の核心を、極めて高い次元で検討された、素晴らしいご講義であった。(スタッフ)

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