新年度第1回で通算71回となる菅野博史先生の「『法華経』『法華文句』講義」が去る4月22日(月)開催されました。この四月より菅野先生の教え子になる中国人留学生の方々が受講することになり、始めに菅野先生はレジュメの章立てをあらためて説明され、まだ日本語に慣れていないため漢文を中国語で読むこともあることなどを注意されました。
今回の【経文】は、譬喩品の最後の偈文に入り「譬如長者 有一大宅(譬えば長者に 一つの大宅有るが如し)」から、「毒害火災 衆難非一(毒害や火災 もろもろの難は一つに非ず)」まで。【テキスト】『法華文句』は、684頁の巻第六上の始まり「第二に偈に一百六十五行有り」から、690頁4行目の「「即ち是れ貧人の希求念望なり」と。」までです。
『法華文句』は、その内容を【科目】で要約していて、活用すると実に便利です。全部で165行となる偈文は二つに分けられ、100行は「上の長行を頌す」、65行は経を弘通する方法を述べています。「上の長行」は譬喩の内容で五つに分けられて、「第一の長者譬を頌するを明かす」から始まり「火宅譬」「五百人譬」「火起譬」と続きます。そして火起譬では、禽獣が焼かれることを「五鈍使の衆生」に譬えて、鬼神が焼かれることを「五利使の衆生」に譬えています。五鈍使とは貪・瞋・痴・慢・疑、五利使は身見・辺見・邪見・見取見・戒取見で、合せて「衆生の十使」といいます。今回は、科目で「貪使を譬うるを明かす」までを講義されて、終了しました。レジュメでは、8頁の最後から二行目までとなります。
次回の5月27日の第2回(通算72回)は、テキスト690頁5行目の「闘諍しゃ掣」から始まります。レジュメの内容が経文の訓読やテキストの現代語訳があるなど丁寧で分かり易いので、初めての方でもついて行けます。ぜひご受講下さい。(担当スタッフ)