『法華文句』講義 2月26日(月) テキスト『法華文句』(Ⅱ)672頁14L~
672頁14行目~。譬喩品、等賜大車譬「舎利弗よ。如来も亦復た是の如し。」(平楽寺版『開結』下段147頁後(如来答説合譬)~148頁あたり)の確認。合譬(たとえ)は譬喩を思想的内容に対応させること。光宅寺法雲が十譬を『法華義記』で解説している。「一切世間」は「国邑聚落(ある国の都とか地方)」に対応する。
「於諸怖畏」からは、内外の徳をたたえる。「智断」とは、智徳・断徳。菩提・涅槃に対応する。「其年高」は、年長者をたとえ智徳を現す。「財富無量」は外の徳で数え切れない程の財産がある。「一切は是れ五道なり」は、地獄・餓鬼・畜生・人・天の五道輪廻のこと。六道輪廻より先に成立した。修羅を入れるのか違いがある。
675頁1行目「見諸衆生」(『開結』下段148頁(合別譬・合見火)9行目)~。第2に個別的な譬喩(別譬)に対応(合)する。「如来の寂照の智眼」とは、バラバラになった心を静寂にし、智慧によって真理を照らし見る二つの面がある。長者火宅の火は八苦のこと。
676頁5行目「舎利弗よ。仏は此れを見已って、便ち是の念を作さく」(『開結』下段149頁7行目下)から。苦を抜くのは大悲、楽を与うは大慈の力。その逆説もある。続いて捨几用車譬、机を捨てて車を用いるの意。679頁2行目で了(スタップ)