去る1月30日(月)に通算56回目となる菅野博史先生の「『法華経』『法華文句』講義」が開催されました。【テキスト】は、いよいよ卷第五上に入り、572頁の初めの「我始坐道場」従り下~」からです。【経文】もテキストと同じく、「我は始め道場に坐し、樹を観じ亦経行して、三七日の中に於いて、是の如き事を思惟しき。」からになります。科文は「方便の化を施すを頌す(卷第五上)」となっています。その経文では釈尊が道場に坐して三七日(二十一日間)に考えたことが述べられており、『文句』テキストではその経文の語句をたどって随文釈義で解説していきます。
その内容ですが、三七日にわたって釈尊が考えたことは、悟った後に説法を行うかどうかでした。釈尊が悟った最も優れた微妙の法は、そのまま衆生に説き明かすと、理解の程度が低い(諸根が鈍)衆生はこの仏乗である微妙の法を信ずることが出来できないばかりでなく、逆に三悪道に落ちてしまう。しかし、過去の仏の説法をみると方便力を使って微妙の法を説いている。では私も方便力をもってこの微妙の教えを衆生が理解できる三乗の教えにして説こうと決めて、釈尊は五比丘へ初転法輪を行うのです。経文は、「是を転法輪と名づく~我は常に是の如く説きき」までです。これを解釈した『文句』テキストを、菅野先生は現代語訳にして、語句説明から詳しく講義していただきました。テキストの進み具合は、578頁の11行目の「諸仏に引導せんと欲するが故に「尋念」と云うなり」までです。
次回は、2月27日に第五回(通算57回目)の講義となります。途中から受講されても、予習復習をすればついて行ける講座ですので、ぜひお申込み下さい。宜しくお願い申し上げます。 (担当スタッフ)