2022年4月19日18時30分より【歴史から考える日本仏教⑨】第1講 山林修行者と持経者 が開催されました。今回は対面式、Zoom受講式のハイブリッド形式となりました。
○はじめに
・持経者については先生の卒論以来のテーマ
・先行研究として、川添昭ニ、高木豊、間宮啓壬、岡田文弘各氏の存在。
1古代仏教と持経者の原形
①大陸仏教の系譜
・当時の経典暗誦の重要性
・持経者の語源
②浄行の系譜
・浄行とは戒律の護持と実践
・具足戒と大乗戒の矛盾
・寺院止住僧と山林修行者を厳密に区別出来ない。
③山林修行者から官僧の世界へ
・『日本霊異記』に於ける持経者
・天平年間の僧位制
・暗誦政策の転換
2『法華験記』を読むー古代から中世へー
①『法華験記』の周辺
・往生伝と法華験記
②『法華験記』にみる持経者の諸類型
・山林修行の構造
・法華経信仰と浄土教
・持経者と密林修行
○おわりに
・『法華験記』の虚構性を認めた上でその思想性を読み取る必要性がある。
<質疑応答>
1 末法説について日本と中国との違い
→ 中国は明確な年次は無い。儒仏道三教の統合。
2 聖について 読誦以外に占など行ったか。
→ 法師陰陽師の存在、同様の事をやった可能性。
3 異類譚と持経者の実践性との関わり
→ 山林修行では鬼神獣類等に接近せざるを得ず彼らに救済を及ぼす要有り、それが持経者の実践と繋がる。
→ 当文責者の感想として幕末八品派内に生じた三途成不成論を想起した。
(担当スタッフ)