令和3年10月2日(土)午後4時半〜、令和3年度「法華仏教講座」第1回講義が川﨑弘志先生を講師にお招きして執り行われました。
9月30日に緊急事態宣言が解除され、久々に常圓寺様祖師堂3階会議室を会場とした対面識での講義となりました。
今回の川﨑先生のご講題は「台密における日蓮の血脈相承の系譜」。
『法華仏教研究』第28号(2019年7月刊行)で先生が発表された同題論攷の内容に加え、その後の緻密な考察すなわち続編を中心にご講義いただきました。
講義の主題は、『不動愛染感見記』に記される大日如来~日蓮聖人の嫡々23代相承の系譜を精査することにあり、考証の道筋も含めて精確な成果を公にしてくださいました。
具には、先行研究となる山川智応博士や山中喜八博士の説、また、『理性院血脈』をめぐる戸頃重基、高木豊博士、山口晃一氏の所見などを四方八方から吟味、再検討され、更に厖大な資料を精査された上で辿り着かれたご自身の見解を示してくださいました。
ここでは、これ以上の立ち入った報告は割愛させていただきますが、今回の大変貴重な成果は、遠からず論文として公表の予定と伺っております。
川﨑先生は、今般、膨大な時間と労力を注いで到達された成果を、論文公表に先駆けてコモンズの受講者に披露してくださいました。
膨大な資料をPowerPointで示しつつ、ポイントを分かりやすく押さえながらのハイテンポな素晴らしいご講義でした。
当日は、緊急事態宣言が解除された直後にも関わらず、多くの聴講者にお越しいただけました。充分なソーシャルディスタンスの確保や、常に換気を怠らないなど、甚深のコロナ対策を講じながら対面式講義を行わせていただきました。
また、ハイレベルな学識をもつ聴講者が多く、講義終了後、かなり深い次元での活発な質疑応答がなされ、最高の学びの場である法華コモンズらしい有意義な時間を共有させて頂けました。
次回は11月27日(土午後4時30分~)、木村中一先生による「近世における日蓮聖人遺文の編纂を考える」がオンライン講義(後日、動画配信受講可)として執り行われる予定です。
多くの皆さまのご参加をお待ちしております。(スタッフ)