今回の「本妙の十妙(2)」講義は、『法華玄義(中)』の693頁「(5)広釈」からでした。前回まで「Ⅱ本門の十妙を明かす」の十項目のうち、(1)略釈、(2)生起次第、(3)本迹の開合を明かす、(4)文を引きて証成す、の解説を終えて、今回は「本門の十妙」の十妙そのものを詳しく述べた「(5)広釈」を現代語訳で一つ一つ解説していきました。
本門の十妙は、①本因妙、②本果妙、③本国土妙、④本感応妙、⑤本神通妙、⑥本説法妙、⑦本眷属妙、⑧本涅槃妙、⑨本寿命妙、⑩本利益妙ですが、とくに本因、本果、本国土の三妙については、詳しく説明がありました。また、十妙の解説において最後の本利益妙をのぞいたすべてに、本と迹が「不思議という点では同一である」と述べられているのが印象的でした。その後は(6)三世に約して料簡す、(7)麁妙を判ず、(8)権実を明かす、(9)利益、(10)観心までを説明し、第二項「妙の解釈」中「別釈―迹門の十妙・本門の十妙」のうち「(二)本門の十妙」を終了しました。次回は、第三項「蓮華」の解釈(下巻731頁)より始まります。 (事務局)