平成29年6月26日(月)、菅野博史先生による第15回目の「『法華玄義』講義」が行われました。
今回は「迹門の十妙」の「感応妙」についての講義でした。その概略を報告いたします。
まず、中国における伝統的な感応の思想について、「感応」は、もともと中国哲学の概念であったが、これを仏と衆生の関係に適用し、仏教の一種の救済論を示したものが感応思想である。こういった仏教の感応思想がいつごろ確立したのか、正確にはわかっていないが、道生の場合には、「感」という衆生の側の動作主体を「機」と表現することも含めて、後代の仏教の感応思想の全容がすでに確立しているといえる。また、道生は、仏の経教の多様な展開理由を、衆生の側の「機」の成熟段階の相違に求めるとともに、凡夫の機が聖人を感じ、それに対して聖人が凡夫に応じるという図式を明瞭に示した、とのご解説がありました。さらに、機の三義(機微・機関・機宜)や応の三義(赴・対・応)、機応の相について、機応と顕冥について等のご講義が行われ、講義後の質疑応答も充実した内容となりました。
次回は、7月31日(月)18:30より「神通妙」~「功徳利益妙」の講義が行われます。
当日のみの受講(1回3,000円)も随時受け付けておりますので、本HP内の「受講のお申込み」からお申込みください。皆さま奮ってご参加ください。(文責・編集部)