講座⑥「日蓮聖人遺文研究」第4回講座報告

講座⑥「日蓮聖人遺文研究」第4回講座報告
2017年1月28日 commons

平成291月28日(土)、新宿・常円寺様で都守基一先生の『日蓮聖人遺文研究』講座第4回目が開催されました。11名の受講生が参加されました。講師先生と受講生が一体となり、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。

 

今回のテーマは、引き続き「『立正安国論』の書誌と内容」で、今回は先生が安国論の全文を白文のまま拝読し、解説を加えてくださいました。いままでの過去3回は、安国論の「書誌学的」な説明が主でしたが、今回は安国論の本文そのものの解説です。白文にこだわって説明されたのも、宗祖の「(安国論は)加点すべからず」と言われたという伝承を尊重してのものです。漢文、特に白文は敬遠しがちな私でも、先生の解説があって、違和感なく親しむことができたように思えます。

 

また今回は本文の説明のみならず、「宗祖は未顕真実の経文を拠りどころとしているのに、一方で自論の正当化のために爾前経を引用するのは自語相違ではないか」という、誰でも抱く疑問に対して、先師の回答を紹介してくださったり、「先ず国家を祈りて須く仏法を立つべし」についての先師の解釈を紹介されたりと、内容は充実しており、2時間があっという間に過ぎてしまいました。特に後者については、「国家主義的解釈をされた先師は、思ったほど多くない」という印象を持ちました。私にとっては新たな発見でした。

 

次回も引き続き『立正安国論』についての講義になります。個別の参加でも可能ですので、多くの方にご参加いただきたいと思います。

(文責・大賀義明)