講座④「『法華玄義』講義」第5回講座報告

講座④「『法華玄義』講義」第5回講座報告
2016年8月29日 commons
平成28年8月29日(月)、菅野博史先生の「『法華玄義』講義」の第5回講座がおこなわれました。
台風10号の影響で一時講義の開催も危ぶまれましたが、それでも28名の受講者が参加し、第5回の講義が行われました。今回は「七番共解」の第2回として標章から観心までの各説が紹介されました。
先生はかなりの分量を足早に辿られましたが、その中で、教判が羅什三蔵の弟子あたりから発生したこと、華厳経と法華経との勝劣の論点がどういった由来で起こってきたか、また大乗での律の位置付け、吉蔵と天台との関係、五重玄義の各説は最終的には観心行によって自証しなければならないことなど、要点を簡潔に説明され、『法華玄義』の歴史的な位置付けをもイメージできるような素晴らしい講義でした。
ことに『玄義』の考え方では、法華経は「漸円教」として「漸を開会して円に帰する」、すなわち仏教全体を前提として「円」となるのだから「漸」が冠されなければならないなど、初学にとっては目から鱗のような感がありました。
次回第6回とその次の第7回は「七番共解」の最大のポイント「四悉檀」を2回にわたって解説していただきます。
第6回講座は、9月26日(月)18:30からです。ぜひご参加ください。