インドの『法華経』を読む」の第2回講義が、5月7日に常円寺3階会議室で午後5時より7時まで予定どおり行われました。
21名の出席があり、会場は満席でした。
第1回の講義の改訂版と第2回の資料が用意され、今回は改訂版の説明がありました。
講義の内容は、インドでは、アーリア人の侵入以前から多彩な宗教形態の根幹であるプージャーがあり、人が聖なるものを礼拝・供養することによって、善根を得る原因となり、そのことによって現世安穏、後生善処の果報が得られると考えられていたこと。瞑想によって、法(ダルマ)を観じる観法もあって、仏教の唯識思想などは瞑想から 派生したとも考えられること。
また、アーリア人(バラモン)は、インド侵入前にはインダス文明に遭遇しており、宗教権威(司祭)によって多数の原住民を支配することを学んだとも想像できること。
本来、現世における人間の善業は、宗教上の善なる行為、悪業は謗法などの宗教上の悪なる行為でしか生じないとされ、それも現在から未来へと輪廻する未来指向の観念を軸としたものであること。ところが、過去世における善悪の行為が現在を決めるとする宿命論的なバラモンの説は、バラモンの優位性を発揮するために改竄されたと見られること、などを講義されました。
熱心な講義で瞬く間に時間が経過し、第2回の資料に触れる前に講義終了となりましたが、先生から次回講義までに第2回の資料を予習しておくようにとのご指示 がありました。
関西からこの講義のためだけに苅谷先生は上京されています。東京で苅谷先生の講義が拝聴できる貴重な機会ですし、本当に分かり易い丁寧なご講義ですので、皆さん是非参加して下さい。