理事長 西山 茂
戦前期に生きた田中智学は、日蓮仏教を近代日本に「再歴史化」(蘇生)するために、「祖道復古」と「国体開顕」および「宗門革命」(宗門の維新)の旗を掲げて日蓮主義の運動を主導し、複数の教学講習会を開いて、以後の日蓮仏教諸派の僧俗に多くの影響を与えました。
今回、私たちが11年間も続いた本化ネットワーク研究会を閉じて法華コモンズ仏教学林(門流や会派を超えた法華仏教の学び舎)を起ち上げたのも、法華仏教(日蓮仏教)を現代日本に「再歴史化」するためにほかなりません。「再歴史化」の意味を深く考えるとすれば、それは普遍的な宗教真理は特殊的な歴史状況のなかに繰り返し「再歴史化」されなければ人々への説得力を失ってしまう、ということでしょう。
現代社会は智学の時代と違ってより複雑化しているだけでなく、教学や遺文の研究レベルも上がり、それだけ私たちが学ばなければならないことが多くなっています。こうしたことは、門流や会派が単独で法器養成等に取り組むことを非常に難しくしているといえます。そして、このような事態も、法華コモンズ仏教学林の誕生を促す要因となっているといえるでしょう。幸い、法華コモンズ仏教学林には、多彩で優れた講師陣が揃っています。
皆さま、この際、どうか法華コモンズ仏教学林の受講生となり、門流や会派の中垣を超えて法華仏教(日蓮仏教)の共通の智を学び、ともに仏国土づくりの聖業に邁進しようではありませんか。
日蓮仏教の「再歴史化」を理念として、斯界に新たな地平を切り開いた、東洋大学名誉教授・西山茂先生主宰の本化ネットワーク研究会。また、日蓮聖人の実像や、壮大なスケールの思想の全体像を浮き彫りにすべく、日蓮門下が一丸となって編集され、平成27年全五巻の刊行完結をみた『シリーズ日蓮』(春秋社)。
今般、西山茂先生を理事長、シリーズ日蓮刊行会会長・(故)佐古弘文先生を副理事長に仰ぎ、法華コモンズ仏教学林が始動いたしました。
これから本格的に法華経や日蓮聖人を学びたい方の登竜門として、また、各教団が課題とする人材育成、次代の日蓮門下全体の隆盛へ向けての基礎作りの場として、さらには、より高みを目指す研究者の研鑽の場として、多様なニーズを満たせるよう、スタッフ一同、鋭意努力して参ります。
法華コモンズの主役は、これから参加される皆様お一人おひとりです。仏教界全体に、時代を先導し、光明を灯す力が求められている昨今、日蓮仏教(法華仏教)の立場から、世の期待に大いに応えていこうではありませんか。
学林長 布施 義高
法華コモンズ仏教学林 運営スタッフ
〇理事長 | 西山 茂 | |||
〇学林長 | 布施義高 | 〇事務担当 | 澁澤光紀 | |
〇財務担当 | 竹内敬雅 | 〇財務担当 | 稲田隆広 | |
〇総務担当 | 西條義昌(出版部) | 〇総務担当 | 谷口 智 | |
〇広報担当 | 林明彦 |