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本年第5回(通算75回)となる菅野博史先生の「『法華経』『法華文句』講義」が、去る8月26日(月)午後6時半より開催されました。今回のテキストでの始まりは、711頁9行目の「「若有聞者」よりは、是れ第二に釈なり」からになります。【経文】も「若し聞くこと有らば、随喜して頂受せん」の偈文(前回のレジュメで3頁5行目)からで、【科文】では、レジュメ1頁の10行目「可説不可説を釈す」からになります。

「譬喩品」の経文内容ですが、この法華経を聞いて随喜して頂受する人は不退転の者であり、深智の者には説くべきだが、浅い知恵の者や凡夫には逆に謗法の罪を作ってしまうので説くべきでないとして、その謗法罪の報いの数々を述べ示し、次に説くべき人の条件を示して「是の如き等の人は、則ち能く信解せん。汝は当に為に妙法華経を説くべし」と述べて「譬喩品」が終了します。テキストでは、大悲門の釈として、法華経の小善成仏を信じなければ「即ち世間の仏種を断ず」と述べ、また法華経を弘める時は大慈門を使って善人にはよく説明して楽を得るようにさせる、と解釈しています。

そして次の「信解品」ですが、まだ経文解釈には入らず、「信解品を釈す」として「品題を釈す」「古を引きて品意を判ず」「三時に約して判ず」「正しく古を引きて判ず」「通じて三時を列す」と五つの科文を説明するところから始まりました。特に「三周説法」の構成についてふれて、方便品から五百弟子授記品・授学無学人記品まで、「法説周⇒譬説周⇒因縁説周」の展開の中で、一乗真実・三乗方便の領解が徐々に進んでいき、最後の声聞授記に至ることで、無二亦無三の「皆是菩薩」の一仏乗が徹底されていく流れを詳しく説明して頂きました。この講義で「三周説法」での信解品の位置づけが良く分って、大変有り難かったです。

次回の8月26日の第6回(通算76回)は、テキスト718頁12行目の「小に準じて大を望むるに」から始まります。レジュメの内容が「科文」、「経文(訓読)」、「『文句』本文現代語訳」、「語句説明」と整っていて分かり易いため、初めての方でも充分について行けます。ぜひとも受講お申し込み下さい。(担当スタッフ)

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