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本年第3回(通算73回)となる菅野博史先生の「『法華経』『法華文句』講義」が、6月24日(月)午後6時半より開催されました。

今回の始まりですが、テキストでは前回に698頁1行目の「「相残害」の如きなり」までで終了となった続きで、「既に禅中に於いて諸見を起こせば~」からになります。【経文】では、譬喩品末尾の偈文でその「相残害」を示す「共相(たがい)に残害して、血を飲み肉を喰らう」からです。【科文】では、前回の「色界火起を譬う」の続きになります。

今回の講義では、悪獣や毒虫や鬼神等が入り乱れ食い合いや殺し合いが行われている悲惨な廃屋のような長者の大宅が火に包まれ、その火の中で無邪気に遊んでいる長者の子供たちを方便を使って羊車・鹿車・大牛車の玩具で誘い出し、無事に火宅を逃れた後に「大白牛車」という立派な車を与えて、子供たちが歓喜し自在に乗り遊ぶ様子までの経文内容を取り上げ、その一語一語について譬喩的意味を読み取っていく『法華文句』の解釈を詳しく説明して頂きました。

また今学期より、受講生として中国人留学生が四名程聴講されているので、菅野先生は時折中国語を交えながら講義されました。そうした受講環境もあって、菅野先生は中国語と日本語の違いとして、「地涌菩薩」というのは中国語では発音しにくく、「涌出菩薩」といった方が言いやすい、という普段は聞けない話も拝聴できました。後で「SAT大蔵経テキストデータベース」で調べると「涌出菩薩」という言葉も論書などでもかなり使われているのが分りました。

次回の7月29日の第4回(通算74回)は、テキスト704頁10行目の「告舎利弗我亦如是」から始まります。初めての方でも、レジュメの内容説明が詳しく分かり易いため充分について行けます。ぜひご受講申し込み下さい。(担当スタッフ)

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