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法華仏教講座第4講、菅原関道先生の講座「『観心本尊抄』から『曾谷入道殿許御書』へ」が1月28日、ハイブリッド形式で行われました。文永10年(1273)4月25日の『観心本尊抄』から、文永12年(1275)三月十日の『曾谷入道』に至るまでの、日蓮聖人の思想をめぐる法義的展開について検討します。

はじめに、清水龍山氏の仏界縁起説と、これに関する浅井円道氏の解説を取り上げます。続けて『観心本尊抄』の「自然譲与段」について、菅原先生は「日蓮聖人の確信」によって述べられた言葉である、と説明されました。この「確信」という言葉は、これまでの『観心本尊抄』解釈では聞かれない言葉です。その後「四十五字法体段」と「其本尊為体段」について、己心、結要付属をタームとして、両文の法義的な関わりについて力説されました。そして最後に『観心本尊抄』から『曾谷入道殿許御書』に至る、上行自覚や末法下種などをめぐる日蓮聖人の思想について、さまざまな御書を引用して丁寧に説明されました。また、冬の佐渡は雷鳴がすごく吹雪が吹き荒れている(長年佐渡に住んでいた故大黒喜道氏から聞いたそうです)。このような環境のなかで開本両抄が書かれた、というお話は、極寒の佐渡における日蓮聖人の執筆環境がうかがわれる興味深いお話でした。

おわりに、日蓮教学界の現状について、自分の立場を離れ広く世の中を見ることが必要ではないか、と述べられました。日本の最先端の研究を伝える場を広く共有しよう、という法華コモンズの理念にも通ずる重要なご提言であろうと思います。(担当スタッフ)

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