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令和4年5月14日(土)、末木文美士先生による連続講座「仏教哲学再考―『八宗綱要』を手掛かりに④」前期第1回目が開催され、第七章「華厳宗」(テキスト356頁)を応用的にひろげた講義となりました。

今回は、華厳宗の五祖(杜順・智儼・法蔵・澄観・宗密)について、岩波仏教辞典を参考に講義されました。

華厳宗の五祖それぞれの歴史に加え、中国(唐)の高宗の皇后である則天武后、法蔵が則天武后のために金獅子を喩えとして説いた『華厳金獅子章』、漢民族と異民族の関係、荷沢神会を祖とする中国禅宗の一派である荷沢宗との関係など、広範囲に及ぶ内容となりました。

重要なポイントとして、先生は法蔵と澄観には約百年の開きがあることに着目し、澄観・宗密が禅を取り入れ、教禅一致の思想を掲げたことついて具体的に説示されました。智儼・法蔵の教学から大きな変革があったことは明らかであり、特に宗密は禅を取り入れるだけではなく、仏教と中国思想(儒教)を協調することにも重点を置いていた、と聴講者に分かりやすく解説してくださいました。

次回も華厳宗を深く掘り下げていく内容とのことですので、とても楽しみにしています。

本講座は、日本仏教の第一人者である末木先生によって凝然『八宗綱要』を読み解いていく貴重な講義です。日本仏教を再認識するためだけでなく、深く掘り下げて考察していく内容となっております。質疑応答では、高度な質問が飛び交い、大変参考になります。皆様、聴講の申し込みをお待ちしております。なお、本講座はリモート開催となっており、講義動画も受講者に配信し、期間内であれば何度でもみることが可能です。詳細につきましては、「法華コモンズ」ホームページからご確認ください。(スタッフ)

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