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4月13日(土)、新宿・常圓寺様祖師堂地下大ホールにて、都守基一先生による「『観心本尊抄』拝読」第1講が執り行われた。
『如来滅後五五百歳始観心本尊抄』(以下、『観心本尊抄』と略称)は、日蓮聖人が龍口法難・佐渡遠流を経て到達された法華思想の極致の開陳された書である。『観心本尊抄』を学ぶことは、すなわち、個々が日蓮教学の最深部を理解し実践の糧を確立することに他ならない。
今回、この重要な『観心本尊抄』講義を開設するに当たり、講師をお引き受け頂いたのは、日蓮研究界の誰もが知る碩学、都守基一先生である。
今回、第1講のテーマは「述作由来と大意」。
都守先生は、『観心本尊抄』の全日蓮聖人遺文中における位置、書名の意味、撰述の由来、叙述の形式、全体の大意、本抄の科段、すなわち序分・正宗分・流通分の三段の構成と一篇の趣旨などについて、著名な先学の業績を全て踏まえながら、明快にご講義下さった。
中でも、立教開宗と題目弘通、一念三千と本門思想、本尊論からの視点、佐渡流罪前後の思想の進展に関する問題、人開顕と法開顕の問題、教観二門の問題、本化上行菩薩の自覚に関する問題、本抄撰述の環境、『三沢抄』『正当此時御書』との関わり、『観心本尊抄』以後の主要遺文で説かれる法門との関係性など、学徒必聴のポイントも、分かり易くご教示下さった。瞬く間に経過した感さえある、極めて濃密な2時間であった。
都守先生のご講義は、研究史上の厖大な情報を的確且つコンパクトに整理・統合され、ご自身のこれまでの研究成果を交え、綿密なレジュメに則って講述されるスタイルである。しかも、それが今回は、日蓮教学系講座の頂点、『観心本尊抄』講義において執り行われている。
初学者にとっては、正確な『観心本尊抄』理解を得る為の、またとない貴重な機会が設けられたといってよい。また、専門的に日蓮研究を志している指導者層にとっても、『観心本尊抄』を様々な角度からあらためて読み直し確認する絶好の機会が設けられたといえよう。
素晴らしい講座がスタートしたことに、スタッフ一同、大きな誇りと喜びを感じている。
なお、都守先生は、『観心本尊抄』の一字一句を理解するためのテキストを独自に現在作成中とのこと。本講座開講中に受講者に配布したい意向であることを講義中、明かして下さった。大変なサプライズであり、先生のご厚意に心より感謝申し上げる次第である。
第2講以降からの受講や、1回のみの受講も受け付けているので、日蓮聖人門下の皆々様にぜひ受講をお薦め申し上げたい。(スタッフ)
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