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3月26日(月)、菅野博史先生の『法華玄義』講義の最終回が常円寺様祖師堂地階ホールにて開催されました。今回は『玄義』十上下に当たる「教相玄義」(判教)のところで、第五章「判教」の「大意」「出異」「明難」「去取」「判教」の五節を御講義頂きました。
講義は、まず初めに「五時八教の簡略的説明」をされた後に、「『法華経』は教判を立てる基準となる経典であり、実際に中国での『法華経』への最大の関心事は、教判の基準を与えてくれる『法華経』という経典観だった」ことを説明されました。そして第一節「大意」は、『法華経』とそれ以外の経典との根本的相違点を明かして、『法華経』以外は衆生の機根に合せて利益を与える(当機益物)のみだが、『法華経』は仏の偉大な教化の大要を明らかにしていると解説。二節の「異を出だす」では、南北朝時代に流行した南地の三種と北地の七つの教判(南三北七の教判)を詳しく紹介して、次の三節の「難を明かす」ではその南三北七の教判を批判して、そして四節の「去取」では、南三北七の教判の良いところは取り、不適当なところは除き去るという取捨をしていることを説明されました。
そして五節の六つの項に分かれている「判教」について、1項「大綱を挙ぐ」では、頓・漸・不定を教観両門から考察し、2項「三文を引きて証す」では、五時の配列を方便品・説法品(『無量義経』)・信解品からの三つの引用文で証明、3項「五味半満相成す」では、五味と半満の教判を調和させることを示し、4項「合・不合を明かす」では、五時の経典の合(開会)と不合を論じ、5項「通別料簡」では、五時の説法が「別」のみならず「通の五時」もあって自在に説かれるとし、6項「増数に教を明かす」では、迹と本に分けて教えの開合を論じていると説明して、教相玄義の解説を終えられました。
最後に7項目となる「灌頂の私記」において、灌頂が追記して「異聞を雑記す」と「己を述べて師を推し、前を結び後を生ず」で述べている内容に触れて、講義を閉じられました。その後、受講生に修了証が渡されてから、感謝の拍手に包まれて二年間にわたる全24回の「『法華玄義』講義」が終了しました。
引き続き来月からは、菅野先生の新講座「『法華経』『法華文句』講義」が開始いたします。この講座では『法華文句』と共に『法華経』を読んでいきます。「注釈書読みの経典知らず」にならないために、ぜひともご受講ください。第一回は4月23日(月)午後6時半からです。皆さまの受講申込をお待ちしておりますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。(スタッフ)

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