講座「『法華経』『法華文句』講義」第57回講座報告

講座「『法華経』『法華文句』講義」第57回講座報告
2023年2月27日 commons

去る2月27日(月)に通算57回目となる菅野博史先生の「『法華経』『法華文句』講義」が開催されました。【経文】は、方便品の最後の偈文にある「尋念過去佛 所行方便力(尋いで過去の仏の行ぜし所の方便力を念うに)」から、最後の句になる「心生大歓喜 自知当作仏(心に大歓喜を生じて自ら当に作仏すべしと知れ)」までです。【テキスト】は、578頁10行目の「「尋念」とは、彼に大機無しと雖も、永く捨つ容(べ)からず~」から、590頁の最後の「実と権とに疑い無し。自ら作仏せんことを知る」までで、これで方便品の解釈が終わります。
この方便品の最後の偈文には、「正直に方便を捨てて但だ無上道を説く」や「三世の諸仏の説法の儀式の如く」など耳慣れたフレーズも出てきますが、最後に「万億の方便を以て宜しきに随って法を説きたもう~随宜方便の事を知りぬれば、復た諸の疑惑なく~自ら当に作仏すべしと知れ」と終えているのは、あらためて「方便」の意義を讃嘆する「方便品」のダイナミックさを見出した思いがします。
レジュメの[4]『法華文句』の解釈—天台の解釈では、詳しくテキスト文に沿っての現代語訳による説明がされており、経文の真読、科文に分けた経文の訓読、そしてテキスト文と照らし合わせながら、菅野先生の講義を聴いて読んでいくと、難しい『法華文句』の内容が徐々に解明されて、有難い限りです。
次回の3月27日の第六回(通算58回目)からは、いよいよテキスト592頁の「譬喩品を釈す」より始まります。難解な『法華文句』ですが、レジュメの内容が親切で分かり易く、しっかり予習復習すれば理解力がどんどんついていく講座ですので、ぜひお申込み下さい。どうぞ宜しくお願い申し上げます。(担当スタッフ)