講座「『法華経』『法華文句』講義」第48回講座報告

講座「『法華経』『法華文句』講義」第48回講座報告
2022年5月30日 commons

通算で第48回目となる「『法華経』『法華文句』講義」が、去る5月30日に開催されました。【経文】は、前回取り上げた四仏知見(諸仏世尊欲令衆生~)から、諸仏如来がただ一仏乗の仏知見をもって菩薩のみを教化することを明かして、「衆生をして仏知見の道に入らしめんと欲するが故なり」と述べる所までです。【テキスト】は、494頁の10行目「『法華論』に云わく~」から、『法華論』の引用解釈から天台の開示悟入の解釈までを述べおわる504頁12行目までです。講義は、レジュメのテキストの現代語訳を参照して進められますが、今回は、『文句』を編集した章安が、『法華論』と天台解釈を対比して、次のように述べているところを紹介します。

「今の師(天台大師)は四つの解釈をするが、『[法華]論』に背反しない。『[法華]論』は一々の句(開示悟入の四句のそれぞれの句)に対して解釈し、今は一句に対して四つの解釈をする。『[法華]論』は不退転の境地を証得することを明らかにし、今は[十住・十行・十廻向・十地の]四位の解釈をする。『[法華]論』は如来が真実を証得することができることを知り、今は[道慧・道種慧・一切智・一切種智の]四智の解釈をする。『[法華]論』は同一である意義を明らかにし、今は観心釈をする。『[法華]論』は究竟処(究極的な境地)を知らないことを明らかにし、今は[有門・空門・亦有亦空門・非有非空門の]四門の解釈をする。」

次回は、6月27日(月)に開催します。テキストは504頁後ろから4行目の「告舎利弗如来但教化菩薩~」からです。どうぞ御受講の程お願いいたします。 (文責:スタッフ)