法華仏教講座 第3講:「日興門流教学の究明序説(一)―日興の師説体得―」

法華仏教講座 第3講:「日興門流教学の究明序説(一)―日興の師説体得―」
2019年12月21日 commons

令和元年度・法華仏教講座の第3回講座が12月21日(土)、新宿・常圓寺様祖師堂で執り行われた。

講師は、菅原関道先生(興風談所所員)。講題は、「日興門流教学の究明序説(一)―日興の師説体得―」。
日蓮法華教学や教学史・教団史に関心の高い聴講者のニーズに応えた貴重なテーマである。

当日は、多くの受講者が訪れ、大変熱気に満ちたご講義となった。

菅原先生は、日興門流の教学のルーツを白蓮阿闍梨日興師(1246~1333)に尋ね、日蓮聖人の主要遺文の読解に即して教学上の諸問題を微細に講じられた。

実に正確な読解に基づく、大変貴重な研究成果を披露してくださった。

ご講義は、上行付嘱を重視して本門の妙法を弘通し日蓮聖人を末法教主の上行再誕と拝すること―等に日興師の師説体得とその意義をまとめられた。
また、ご講義の中で、実相寺改革に関すること、日興師が、佐渡の宗教的窮極の境地に至った日蓮聖人に近侍したこと、日蓮聖人による始顕本尊の図顕を目の当たりにし万年救護本尊を授与されたこと、熱原法難に関すること、日蓮聖人の種脱の見方や上行菩薩自覚公表に関すること、末法の当位即妙・不改本位の名字即成仏論、不軽菩薩の行、曼荼羅本尊―等、それぞれの意義を細論してくださった。

斯界を牽引する、真摯な碩学の集大成ともなる貴重なご講義に、聴講者一同、引き込まれるように聴き入った2時間であった。

スタッフ一同、最先端の日蓮聖人研究・日興師研究に触れることができ、本講座の意義の大きさを噛み締めた次第である。
菅原先生、誠に有難うございました。(スタッフ)