講座「『法華経』『法華文句』講義」第15回講座報告

講座「『法華経』『法華文句』講義」第15回講座報告
2019年7月29日 commons
令和元年7月29日(月)18時30分から、「『法華経』『法華文句』講義」講座(第15回)が行われました。
今回は、「阿㝹樓馱」(阿那律)、「劫賓那」、「憍梵波提」、「離婆多」についての講義でした。(テキスト125頁 1行目から)
釈尊の従弟とされる「阿㝹樓馱」についての因縁釈では、 「無貧」という名について、阿㝹樓馱は過去世において
辟支仏に稗飯を供養した。その果報によって、常に飲食に困らなかったために「無貧」と名付けられたと述べています。「姓」については、劫初において世界が成じたところから、衆生が生まれ、民主である平能者が治めるまでを述べ、そして
懿摩王から斛飯王までの系譜について詳しく述べられている。また、七日七夜、眠らずに修行したことで肉眼を失い、天眼を得たことについても述べている。約教釈では四教(蔵・通・別・円)それぞれで天眼について解釈されています。続いて本迹釈、観心釈においても天眼について解釈されています。
「劫賓那」 の因縁釈では、両親が房宿(そいぼし)に祈って生まれたので、「房宿」と命名されたと述べている。
劫賓那は出家したのちに、仏に会うために仏のもとに向かう途中に大雨に遇い、陶師の房中に止宿したとき、同宿したもう一人の比丘(実は釈尊)から法を聞き、法身を見ることを得たとされている。約教釈では、房または舎において四教それぞれで解釈されている。
「憍梵波提」 は、
過去世において牛王として生まれたことがあり、その報いが消えなかったため、食事の際も、反芻していたといわれている。また、釈尊滅後に、大迦葉が下僧を遣わして結集に加わるべきを命じたが、肯わずして入涅槃したと説かれている。
「離婆多」の因縁釈では、離婆多が空亭にいると、小鬼と大鬼が屍の所有について言い争いになった。鬼たちは傍らにいた離婆多に判断を求め、離婆多が答えた。怒った大鬼は離婆多の手足を引き抜いて食べたため、小鬼は他の死体から手足を引き抜いて離婆多とつなぎ合わせた。このことから
離婆多は人の身体が仮和合だということを覚ったと説かれている。 (テキスト140頁 5行目まで)
次回は、8月26日(月)18時30分からです。
また、本講義と同日の15時から、同会場において菅野先生による「『摩訶止観』講義」(福神研究所主催)が開催されています。
現在、十乗観法の巧安心観心についての講義が行われています。
「『摩訶止観』講義」では、配布テキストとは別に、『一念三千とは何か』(第三文明社)も参考書として活用しますのでご準備ください。
「『摩訶止観』講義」は、1回2000円となっておりますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
(文責・スタッフ)