法華仏教講座・第2回講座報告

法華仏教講座・第2回講座報告
2017年11月18日 commons

平成29年11月18日(土)「法華仏教講座」第2回目の講座が執り行われました。
今回も講師は三浦和浩先生。斯界気鋭の先生から「日蓮の思想的時代区分に関する再検討」の題で2時間の御講義を賜りました。
三浦先生は、緻密な文献考証と的確な俯瞰に基づいて、日蓮聖人の思想が完成していく様相を解析され、三浦先生の史観を分かり易くご開示くださいました。
最初に「日蓮聖人思想の研究方法」として、浅井要麟先生が提唱された祖書学から、その後の研究の進展について分かり易く解説され、三浦先生ご自身の確とした文献学的立場を明確に示されました。
次いで、本題である「日蓮聖人御一代の時代区分」について、持ち時間の枠を最大限有効に使いながら、その大要をご教示くださいました。
そこでは、日蓮聖人のご生涯を、思想的な視点から、第Ⅰ期(『守護国家論』以前)、第Ⅱ期(『守護国家論』~『寺泊御書』)、第Ⅲ期(佐渡入島~身延入山初期)、第Ⅳ期(『曽谷入道殿許御書』以後)と区分され、その間の法華経観、題目論、本尊論、一念三千論、他宗批判などの推移を細かくご解説くださいました。詳細なデータと緻密な解析に基づいた論証過程も惜しみなく示して下さり、今後、斯界を啓発する大変盛り沢山の内容に、聴講者皆、非常に刺激を受けていた様子です。
先生は、高等学校、大学・学林と常に教育に関わってこられた経歴にも裏打ちされ、雄弁にして爽やか、講演の範を示されるような語り口で、大変充実した2時間でした。
なお、講義終了後、当学林理事長・西山茂先生からのリクエストを交えた質問がなされ、それについても詳細かつ明快に応答されている遣り取りの様子は、当学林が思い描いている学びのあり方そのものでした。
三浦先生、誠に有難うございました。
次回第3回目の「法華仏教講座」は、12月16日(土)午後5時〜。講師をお勤め頂きますのは三輪是法先生で、テーマは「近代日本における日蓮信仰―上原專祿を中心にして―」。現今の日蓮聖人理解にも多大な影響を与えたと目される上原専祿について、日蓮聖人との具な関わりをご解説いただけます。大変興味深い内容です。
当日のみの受講(1回3,000円)も随時受け付けておりますので、本HP内の「受講のお申込み」からお申込みください。多くの皆さまのご参集をお待ち申し上げております。(スタッフ)