講座「日蓮聖人のご真蹟を拝す」第1回講義報告

講座「日蓮聖人のご真蹟を拝す」第1回講義報告
2017年4月15日 commons

山上弘道先生の講座「日蓮聖人のご真蹟を拝す」の初回が、去る4月15日(土)に約30名ほどの受講生を集めてスタートしました。第一講は「日蓮聖人の書風に親しむ」で、はじめに日蓮聖人の書風を榊莫山氏や石川九楊氏などの書家がどう評価しているかを紹介されました。「南無妙法蓮華経の文字のかたまりが、一つの生命体としてとらえられている。」「王羲之の書の構築性を思わずにはいられなくなってくる。」(榊)、「(『立正安国論』の書に)中国の顔真卿の字を思わせる。」(石川)など、専門家ならではの感想には刺激を受けます。
そして日蓮聖人の書を見ていくのですが、修学期からの『授決円多羅義集唐決』や『五輪九字明秘密釈』『不動愛染感見記』から始まり、佐前の『災難対治抄』『念仏破関連御書』、佐渡期の『土木殿御返事』『観心本尊抄』、そして身延期の『諸人御返事』や『聖人御難事』、そして一旦は日朗に代筆させるも病を押して南条時光を苦しめる悪鬼を叱責する『法華証明抄』まで、御真筆の図像を参照しながら、また原寸大の複製を見せながら、詳しく説明していきました。そして、書状類では『法華証明抄』が絶筆となり、曼荼羅本尊では弘安五年六月日図顕本尊が絶筆となると話されて、大変充実した第一回目の講義を終了されました。
(編集部)